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【コラム】アート界のハラスメントについて

  • 2020年8月9日
  • 2020年8月10日
  • コラム
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今回は少し重い内容です。

あまりこういう批判的な記事は書かないのですが、今回は書かないといけないと思ったので書きます。

 

最近、現代アート業界のハラスメントの報道や噂をよく耳にします。

大きくニュースになったのが、合同会社カオスラの代表社員を務めていた黒瀬陽平氏がアシスタントスタッフにハラスメントを行っていた報道です。

最近では、真相は分かりませんが、作家兼コレクターのインフルエンサー?が作家に対してハラスメントを行っていたのではないかと、現在SNS上で話題となっています。

あと、作家に対してではないですが、ストライプインターナショナルの石川康晴氏のセクハラ問題などもありましたね…

どれも本当に不快で悲しいニュースです。

 

ここからは素人の意見として聞いていただきたいのですが、

黒瀬陽平氏の件は、某アートサイトでは、アート業界の男女比が問題であると指摘していますが、私は少し違う意見です。

女性だから起こったということでもないでしょうし、男性でも女性でもハラスメントを受ける可能性は十分あると思います。

 

若手作家(ここでは作家を目指すアシスタントも含む)にとって、作品を売って生計を立てていくためには、キュレーターギャラリストに展示機会を作ってもらい、作品を出展しコレクターに作品買ってもらわなければなりません。(最近は、個人のECサイトを立ち上げて作品を販売する作家さんも増えてきましたが、それだけでは大きく羽ばたいていくのは難しい現状です)

キュレーターギャラリストコレクターに作品を知ってもらうためには、批評家著名な作家有名コレクターアートメディア関係者などが非常に重要な存在となってくると言えます。

こうやって考えると、いかに若手作家の立場が弱く、大変かということがわかります。

そんな弱い立場を利用する卑劣な行為が、最近のアート界で生じているハラスメント問題です。

 

おそらく、今まで数え切れないほどのハラスメントが起こっていたと思います。

生き残るために必死な作家さんのほとんどは告発できず、辛く、苦しい思いをしていることかと思いますし、やめていった作家さんも沢山おられるでしょう。

弱者である作家を食い物にする..

本当に許されない行為だと思います。

 

今回は、被害者による「note」や「Twitter」の告発投稿で詳細が明らかになってきています。

告発するというのは、とても勇気がいることだったでしょう。

勇気を出して告発してくれたことで、こういった闇の部分が明るみに出て、苦しんでいる様々な人に希望を与えたと思います。

SNS上でも告発した被害者を擁護する意見が沢山出ていますし、SNSに関わらず誰かにSOSを出すということは大切かと思います。

SOSを出せるところを調べてみると

「Arts and Law」という、文化活動を支援するNPOが法律の専門家集団による無料相談窓口(ハラスメント専門ではないですが)があるようなので、苦しんでいる方は、一度相談してみてもいいかもしれません。

http://www.arts-law.org

決して一人で抱え込まないようにしてくださいね。

 

若手作家は日本のアートの希望であり未来です。

我々コレクターは作家さんへのリスペクトを決して忘れないようにしましょう。


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