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【アーティストインタビュー】三枝 由季

 

  • 長野県生まれ
  • 2010 名古屋芸術大学美術学部絵画科 卒業。

 

名和晃平の推薦によりARTISTS’ FAIR KYOTO 2020 の参加アーティストに選ばれ、様々なアート作品が展示・販売されているスターバックスコーヒー京都BAL店で作品が展示されるなど、今注目すべきアーティストの1人。

 

 
運営者 播磨
スターバックスで作品を目にしてから非常に気になっていた作家さんです。段ボールや金屏風など様々な支持体に描かれる、緻密で不思議な世界観の秘密を知りたかったため、インタビューをお願いしました。

 

 
自己紹介をお願いします
三枝由季と申します。長野県出身で名古屋芸術大学絵画科洋画コースを卒業しています。今は、北名古屋市でartist run space i/oというアトリエで活動しています。
 
作風やコンセプトについて教えてくださ
私の作品は物語をテーマにしています。イメージする想像から、創り出す創造へ転化させていき、それを自分や誰かが見たり取り入れたりすることで、さらに新しい創造へと連鎖させていくという部分が気になっています。

最初からこういう絵を作ろうと決めているわけではなく、初めに下地で色をざっと塗ったところに、そこから見える形とかシミとかそういった部分を辿って見える形を作っていくという感じで絵を描いています。

最後まで何ができるかわからないような絵なんですけど、それを他の鑑賞者が見たときに、これってどんな風景なんだろう?どんな状況の絵なんだろう?ってさらに想像していってもらいたいと思っています。
 
京都BALに展示されている段ボールに描かれた作品について教えてください。
私が今描いている作品の元となった作品です。なぜダンボールに描き始めたかというと、一度捨てられた段ボール、誰かが使って使命をはたし終えた道具をふと見たときに、この段ボールにははたして命というものがあるのだろうか?もし命があったとしたらこの使命を果たし終えて捨てられた時には、その命はどこに行ったんだろうか?ということを疑問に思って、それを形にできないかというところから作り始めた作品です。一度、段ボールの上から色をかけて、そこから誰かが使用した痕跡やシミなどをもとに形を辿っていって、私の頭の中に元々持っていた記憶の風景や経験なども合わせて、新しい風景や物語へと昇華させていく作品になっています。
 
自分の優れていると思う点はなんですか?
自分の優れている点について考えていたんですけど、優れているって何だろうってすごく考えてしまって、、、 優れているって、ある一定の環境や一定のルールを基準にしないと出てくるものじゃなくて、場所や時間によって変わってきちゃうなって考えてしまいました。優れるというよりも、個人の個性的なものを見極めて、それをその環境に応じてどう応用していくかを考えていくことが正しいのかなと考えてしまって、優れるということは私は苦手なものなんだなと思いました。
 
苦手なことはなんですか?
やらなきゃいけない事は苦手ですね。何をするにも、外に出かければいけないとかを考えるとすごく辛くなります。行動でも考えることでも、突然凄くやりたくなくなるって事はあります。
 
影響を受けたアーティストは誰ですか?
好きな作家はブリューゲル、ヒエロニスム・ボス、ディルク・ボウツが好きですね。非現実的な風景と現実の風景のレイヤーを重ね合わせている部分は影響をもらっているのかなと思います。コミュニケーションを通じて影響がある作家さんは、吉本作次さん、今村哲さん、名和晃平さんです。
 
どんな子供でしたか?
落ち着きがないフラフラしてる子供でした。人見知りも激しかったです。一人でどっかいって迷子になる事は結構ありました。
 
アート以外で好きな事はなんですか?
ひたすら黙々とやる作業は好きだと思います。パズルをやってたりとかコーヒーの豆を粉にする作業とかがすごい好きですね。ボーッとひたすら回してるっていう。
 
1番思い出に残っている作品やプロジェクトはなんですか?
やはりダンボールの作品は今も続けている作業なので思い出に残っていますね。プロジェクトとしては、最近行った「ここに在るということ」という展覧会です。作家14人くらいに日常道具と作品を合わせて好きなように展示してもらったのですが、とても大変でした。みんなに大変なことをさせてしまったなっていう申し訳なさと、企画する人ってすごい大変なんだなっていうことを改めて実感した展示でした。
 
夢を教えてください
夢を持ってしまうとそれに頼ってしまいそうだなって思っている自分がいて、あまり考えたくないなっていうところがあります。チョコチョコとした夢はあるんですけど、、、二年くらい前はスターバックスで展示してみたいな、と思っていて、それが叶ったりしていることとかはあるんですけど、、夢を持つと調子に乗っちゃうので今のところないです。
 
「神様の庭」 2014 1365×3028mm 段ボール、ジェッソ、アクリルガッシュ、ペン
 
「安曇野の冬」 2018 1038×490mm 段ボール、筆ペン、ジェッソ、テンペラ
 
「よそ見と休憩」 2019 690×610mm 金屏風、墨、ペン
 
「よそ見」 2019 180×180mm キャンバス、油彩、ペン、テンペラ
 
(右)ウートポスa(左)ウートポスb 2019 それぞれ1385×1940mm キャンバス、油彩、ペン、テンペラ

過去のアーティストインタビューはこちら

↓↓↓

http://syuumatunoart.com/2019/10/30/【アーティストインタビューまとめ】/

 

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