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【書籍レビュー】カーサ ブルータス 2020年6月号

カーサ ブルータス 2020年6月号 のレビューです。

カーサ ブルータスは好きで毎回読んでいますが、今回は「日本の現代アートまとめ。」というタイトルで待望の現代アート特集です。副題は「今、知りたい現代アートの教養。日本の現代美術作家スター名鑑!」


アート系以外の雑誌でアートを特集にした雑誌は、近年多数出版されていますが、今回のブルータスはその中でも最も充実した内容です。

近年販売されたアート特集の雑誌

   ↓↓↓


表紙は、村上隆の「青空の下のドラえもん達」です。青い背景や楽しそうに笑っているキャラクター達が、今の暗く閉鎖的な空気を吹き飛ばしてくれそうです。

とてもいいチョイスですね。

 
 

雑誌の項目は以下の内容になります。

  • 日本の現代アートまとめ。
  • THE DORAEMON & ART ドラえもんとアート。
  • STARS 日本が世界に誇る現代美術のスター。
  • TIMELINE 1950年代に始まる日本の現代美術史。
  • ART MATRIX 現代アートの見取り図。
  • NEXT STARS 現代美術の次世代スターと、作品の生まれる場所。
  • MY FAVORITE 目利きたちが選んだ、いま知ってほしいアーティスト。
  • UPCOMING 現代アートの未来は彼らつくる。
  • NEW GENERATION 現代アートの識者が選ぶイチ押し作家リストをチェック。
 

今年の夏に森美術館で開催される『STARS展:現代美術のスターたち−日本から世界へ』を意識した内容になっています。

出展作家である、村上隆・奈良美智・草間彌生・李禹煥・宮島達男・杉本博司がそれぞれ6ページずつ使って紹介されています。

作家の現在までの活動やコンセプト、STARS展に出展される作品について非常にわかりやすく書かれています。作品画像を用いて説明されているため、より理解が深まります。

村上隆とか奈良美智、草間彌生はよく紹介されていますが、杉本博司、李禹煥、宮島達男はアート系以外の雑誌では紹介される機会が少ないので新鮮でした。

※個人的な意見ですが、この企画展に名和晃平が選ばれて欲しかったなと思っています…


NEXT STARSでは、名和晃平とSANDWICHが紹介されています。

黄色系のDIRECTIONとPixCell Deer、etherと名和さんが並んだ写真が一面使って掲載されているのと、SANDWICH内の写真も掲載されています。奥の斜めの本棚は、近づくと平衡感覚を失ってしまうので私は苦手です…笑

奈良の蔦谷書店に新たに展示された「Trans-Sacred Deer(g/p_cloud)」は初めて雑誌・書籍で紹介されていますね。


MY FAVORITE・UPCOMING・NEW GENERATIONでは、期待の若手・中堅の作家が紹介されています。藤原ヒロシ推薦の黒坂麻依さんは初めて知りましたがとても良さそうですね。

あと、パフュームのかしゆか がアートコレクターだったとは初めて知りました。小牟田悠介さんいいですよね。

密かに注目している宮原野乃実さんが紹介されていたのはビックリしました。今回は珊瑚のかけらを用いた作品が紹介されていますが、第二次世界大戦中に作られ捨てられたままになっている陶製手榴弾を用いた作品が、代表的な作品の作家さんです。

その他の作家さんも、納得の作家さんばかりです。語るとキリが無くなりそうなのでこの辺にしておきますが、数年後には日本の現代アートの中心になり得る作家が紹介されています。

※井田幸昌が紹介されるかなと思っていましたが今回は紹介されていませんでしたね。


以上、簡単に紹介しましたが、絶対に買った方がいいとお勧めできる雑誌です。

私は二冊も買ってしまいました。笑

皆様、STAY HOMEのお供にどうぞ。

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