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【書籍レビュー】「アートを巡る、この夏」Casa Brutus No.257

「アートを巡る、この夏」Casa Brutus No.257

今回はカーサブルータスの最新号について紹介します。

カーサブルータスでのアート特集は昨年のCASA BRUTUS「日本のBEST美術館100」以来です。

【書籍レビュー】CASA BRUTUS「日本のBEST美術館100」

 

 

今回は、「アートを巡る、この夏」と言うタイトルです。

表紙は、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」内海昭子さんのインスタレーション「たくさんの失われた窓のために」をバックに平手友梨奈さんがポーズを決めた写真が使用されており、夏を連想させるような田園風景に、作品であるカーテンが重なり、夏らしさを感じさせる表紙です。

 

今号について公式HPで以下のように説明されています。

今夏、日本の芸術祭の原点とも言える新潟の越後妻有では、新作アートが多数登場し、拠点となる施設がリニューアル。人気作から新作まで平手友梨奈さんとともに巡りました。現代美術の世界でも注目のKAWSは、国内初の大型展覧会を開催。85年の画業を振り返る回顧展や大壁画、ポートレート展など、巨匠・横尾忠則はエネルギッシュに創作活動を続けています。建築家の田根剛は、北斎ワールドをドラマティックに演出。人気建築家が参加する「パビリオン・トウキョウ2021」も話題に。そんな、この夏、体験すべきアートスポットを紹介します!

Casa Brutus 公式HPより引用

 

上記されているように、今号は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」を紹介する企画がメインとなっています。


「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、日本を代表するトリエンナーレの一つです。

【調べてみた】国内の国際芸術祭〈東日本編〉

  • 新潟県の越後妻有地域で2000年から3年ごとに開催されている世界最大規模の国際芸術祭。
  • 会場は、新潟の十日町市と津南町で開催される。
  • 開催時期は、7月後半~9月中旬頃
  • 「人間は自然に内包される」を理念に、新潟県の越後妻有地域の約760㎢の広大な土地を美術館に見立て、アーティストと地域住民とが協働し地域に根ざした作品を制作、継続的な地域展望を拓く活動を目的とする芸術祭。広大な田舎が舞台なので、車をレンタカーして周るのがおすすめ。
  • 過去には、草間彌生、マリーナ・アブラモヴィッチ、蔡國強、クリスチャン・ボルタンスキー、レアンドロ・エルリッヒ、淺井裕介、川俣正、ジェームズ・タレル、目、植松奎二 などが出展

 

私も「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」に伺ったことがありますが、自然豊かな環境での展示で、都市型の芸術祭では体験できない規模の作品が多数展示されており、本当に素晴らしい芸術祭でした。

エリアも広く、展示作品数も多いため、すべての作品を見ることができませんでしたが、田島征三の作品空間や草間彌生の大型立体作品、蔡国強のインスタレーション(現在はありません)など、非常に印象に残る作品が多数展示されていました。

中でも今年7月に急逝したボルタンスキーの作品である「最後の教室」は、言葉で言い表せない素晴らしい体験でした。ボルタンスキーの最高傑作ではないかと個人的には思いますし、私自身体験したアートのインスタレーション作品で3本の指に入る思い出深い作品です。

 

 

今回の雑誌は、そのような「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の代表的な作品の写真が多数掲載されています。景色との組み合わせで写真映えする作品も多い芸術祭ですので、平手さんのショットを参考に撮影してみてもいいかもしれませんね。

残念ながら、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2021」はコロナウイルスの感染拡大で延期となってしまいましたが、名和晃平さんのインスタレーション作品(その作品も掲載して欲しかった…)や約200点の常設展示は一部を除き公開しているようです。

私はコロナが落ち着いた暁には必ず再訪したいと思います。

皆様も、この本を読んで、旅のプランを組んでみてはいかがでしょうか。

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