小谷くるみ個展「SIGN」
大阪 梅田の 阪急うめだ本店 のアートステージで開催されている 小谷くるみ さんの個展にお伺いしてきました。
阪急うめだ本店での個展は昨年に引き続いて2年連続での開催です。
時間・痕跡・気配というテーマに沿って、曇りガラスへの落書きを題材にした”21g”シリーズ、鉄錆を用いて絵を描く“鉄錆”シリーズ、銀箔と燻銀を用いた“Silver”シリーズなどを展開する小谷くるみ。
本展では自身のオカルト・ホラーへの興味から発生し、結露した窓ガラスの表面に誰かが指でなぞったような跡を表現した代表作“21g”シリーズを12作品展示します。阪急うめだ本店 公式HPより引用
昨年に引き続き9階にあるアートステージでの展示です。
ドアのないガラス張りの空間であるため、外から容易に展示が確認できるため、気軽に入ることができます。
今回は、目の前にある 阪急うめだギャラリー で ジミー大西 さんの個展が開催されており(非常に賑わっていました)、その流れで立ち寄るお客様も多い印象でした。
今回の展示は小谷さんの代表的なシリーズである「21g」の展示です。
昨年の個展「MESSAGE」では、筆の筆跡のようなストロークで描かれたシリーズが展示されていましたが、今回は以前からメインとしている、ガラスに指で描いたようなストロークの作品でした。小谷さんと言えばこの作品をイメージする方も多いでしょう。
個人的に、今回とても良いと思った作品がグレーベースの作品です。
曇っているようにも見えますが、過去の記憶を回想しているような、現在では無い時間の景色を見ているようにも見えます。
色味のある作品と違って、時間的な要素が組み合わさることで、より作品の深みが増しているように感じました。
定番のブルーのシリーズや、近年見られる緑やオレンジの作品も、非常にクオリティが上がっており(特に背景の描写)、より実際の景色やガラスを見ているような錯覚に陥ります。個人的にはオレンジがとても良かったです。
近年は様々な表現に挑戦し、精力的に作品を発表している小谷さんですが、代表作である「21g」シリーズをまとまって観ることができる機会は非常に貴重かと思います。小谷さんの進化を、是非観に行ってみてください。
また、今回の会期中には、同じ大阪にあるGallery Nomartのグループ展で小谷さんは新シリーズを発表しているので、そちらも合わせて観に行かれてみるのがおすすめです。
小谷くるみ個展「SIGN」
2023年6月21日(水)〜26日(日)
阪急うめだ本店 9階アートステージ
百貨店営業時間中開催(最終日は午後6時終了)
HUMANKIND
Gallery Nomart
2023年6月24日〜7月22日
13:00 – 19:00
日曜・祝日休み