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【アートレビュー】若手注目作家の共演「Slow Culture」@KCUA

若手注目作家の共演「Slow Culture」

京都市立芸術大学が運営しているギャラリー@KCUAで開催されているグループ展にお伺いしてきました。

注目アーティストが多数参加していましたので気になった作品をいくつか紹介していきます。

参加メンバーは以下メンバーです。

  • 磯村暖
  • 皆藤齋
  • 川田知志
  • 木村翔馬
  • 谷原菜摘子
  • 谷本真理
  • 永井麻友佳
  • NAZE
  • 堀奏太郎
  • 松平莉奈
  • 渡辺千明
  • 𠮷田桃子

80年代後半から90年代前半生まれのアーティストを特集し、描き手の身体とダイレクトに結びついた物質的な実践としての「絵」に焦点を当てます。

誰もが写真や映像を撮影し、大量の画像データとして即時に共有することが当たり前となったスピーディな現代において、画材を手にして描くことや、その表現を鑑賞することの意味や可能性は、デジタル化の加速に比例するかのように、増幅と変容を続けているのかもしれません。

本展では、新進のアーティスト12名による、近作と新作を含むおよそ50点の作品を展示。彼らの実践を辿りながら、現代の絵とその周辺に光を当てます。日常における切実なテーマや、ユースカルチャーの影響などを発想の元に描き出された作品を通して、生と死、公と私、循環、流動的なアイデンティティなどにまつわる、現代のビジョンの一端を多様なイメージで紹介します。

また、VRや3DCGなどを用いてデジタル特有の概念と交差する創作アプローチを取り上げながら、デジタル文化の浸透にともなって進化を遂げる、現代の新しい感覚による描画表現の可能性についても着目します。

パンデミックの時代を経て、フィジカルの体験とオンラインを結びつけることが求められるようになりました。日常における仮想と現実の往還はこれまで以上に活発となり、私たちの身体感覚や知覚にも影響をもたらし続けています。表現活動をめぐる新たな手段や解釈が生まれるだけでなく、従来の芸術作品や手法に対する型にはまった見方や価値観にも創造的な変化が起こっています。そのような今日のリアリティの中で、改めて「絵」とは何かを考えます。

 

谷原菜摘子

谷原さんの作品はベルベッドに描く完成度の高い絵画がコレクターから非常に注目を浴びており、先日のART OSAKA 2021でも作品が即完売していました。今回の作品も非常に完成度が高く、サイズ感も大きいため一際目立っていました。なかなか怖い絵なので、好き嫌いは分かれると思いますが、力のあるアーティストであることを再認識させてくれました。

1989年 埼玉県生まれ、兵庫県在住。
黒や赤のベルベットを支持体に、油彩やアクリルのほかグリッターやスパンコール、金属粉などを駆使し、「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描く。
主な個展に「うきよの画家」(上野の森美術館ギャラリー、東京、2021)、「紙の上のお城」(MEM、東京、2021)、「まつろわぬもの」(MEM、東京、2019)など。受賞に「五島記念文化賞新人賞」(2017)、「第7回絹谷幸二賞」(2015)、「京展・京都市美術館賞」(2015)、「VOCA奨励賞」(2016)など。
Instagram: natsuko_tanihara

 

NAZE

壁一面を使ったNAZEさんの大作でした。壁に直接描かれたペインティングに大小様々なキャンバス作品、布やバッグなどにペインティングされた作品などが配置され、NAZEさんの世界観が見事に表現されたインスタレーション作品となっていました。

この壁どうするんでしょうね?素晴らしい作品なので、どうにかして残して欲しいですね。

1989年 茨城県生まれ、東京都在住。
グラフィティカルチャーをベースとして、触覚的な筆致と独特なフレーズを織り交ぜたドローイングやペインティング、収集物を用いたオブジェ、テキスタイルワークなど多彩な作品制作を行う。パフォーマンス集団contact Gonzoのメンバーとしても活動する。
主な個展に「KOREMADE TO KOREKARA」(ANAGRA、東京、2021)、「Flowers」(FINCH ARTS、京都、2020)、グループ展に「ceramic scramble」(ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ、東京、2019)、「net/stoke GRAFFITI」(Vincom Center for Contemporary Art、ベトナム、2017)、「VOCA展2016」(上野の森美術館、東京)、「鉄道芸術祭vol.5」(アートエリアB1、大阪、2015)など多数。
Instagram: naze.989

 

吉田桃子

吉田さんは、それぞれのシーンの舞台装置となるマケットやマネキンを加工した人形を作り、作ったマケットや人形を動画で撮影し、更にその映像の 1コマを取り出したものを絵に描き起こし、必要に応じて映像を取り直すということを繰り返すことで描いています。

今回の展示作品は、天井から吊り下げられた形で展示されており、柔らかで不思議なタッチの作品が独特の世界観を生んでいました。ラフな展示方法が吉田さんらしさをうまく引き出してるように感じました。

1989年 兵庫県生まれ、大阪府在住。
音楽を聴いているときの高揚感や頭に浮かぶ映像的イメージを絵画の形式に閉じ込め、観る人にその高揚感を共有させる装置としての絵画を追求する。
主な個展に「scene UKH ver.3.1」(ART ZONE、京都、2017)、「scene UKH ver.3」(三菱一号館美術館歴史資料室、東京、2017)、グループ展に「表裏のバイパス」(藤井大丸ブラックストレージ、京都、2021)、「Kyoto Art for Tomorrow 2019–京都新鋭選抜展–」(京都文化博物館、2019)、「京芸 transmit program 2018」 (京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA、2018)など。受賞に「ART IN THE OFFICE2019」、「a.a.t.m.2016」三菱地所賞など。
Instagram: picha106

 

谷本真理

谷本さんの作品は過去に何度も拝見していますが、今回の空間に非常に合っているように感じました。

谷本さんらしい青色に炎?のような表現がとても幻想的でした。

展示台がアルミ調であることで、作品が台に写り込み、作品の立体感を感じられてとても良かったです。

1986年 兵庫県生まれ、東京都在住。
経験や体験、行為、現象などから要素を抽出し、遊びや偶然性を取り入れながら、彫刻やインスタレーションへと展開する。近年は、焼き物における粘土の歪みや釉薬の流れなどのコントロールしきれない要因に関心を寄せ、陶による作品を制作する。
主な個展に「ごっこ?」(FINCH ARTS、京都、2019)、「Under 35 谷本真理 展」(BankART Studio NYK、神奈川、2014)、グループ展に「一方そのころ – meanwhile -」(KAYOKOYUKI、東京、2019)、「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017」(岐阜県美術館、2017、審査員賞「田中泯賞」受賞)、「新・陶・宣言」(豊田市美術館、2011)など多数。
Instagram: maririnyo

 

堀奏太郎

この作家さんを初めて知りましたが、面白い作家さんですね。

ペインティングの技術的な面も非常に高いクオリティですが、立体的な表現ができたり、ありそうでなかったモチーフがとても面白いと感じました。今後も注目していきたい作家さんですね。

1996年 京都府生まれ、京都府在住。
画像や動画、CGなど大量のイメージに囲まれた日常生活の中で「曖昧になる実在感」をテーマに絵画を制作する。アメコミやSF映画に登場する人物や道具をモチーフとして、それらを平面や立体の支持体に「表面」として描き出す。
主な発表に、グループ展「窓と外」(artgallery opaltimes、大阪、2021)、個展「ホログラムりんごのデッサン」(KUNST ARZT、京都、2020)、二人展「棒とフォース」(京都市立芸術大学、2019)など。
Instagram: sotaro05


会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室
@KCUA 1, 2
会期
2021年6月19日(土)2021年8月15日(日)
開館時間
11:0019:00
休館日
月曜日(8/9[月・休]は開館、翌8/10[火]閉館)
入場料
無料
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