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【アートレビュー】藤本純輝 個展「 森のテラスで一杯の紅茶を飲む 」

藤本純輝 個展「 森のテラスで一杯の紅茶を飲む 」

京都の新風館にある Ace hotel kyoto 新風館内1階ギャラリー で開催されている藤本純輝さんの個展を拝見してきました。

藤本純輝さんは、1997年三重県⽣まれ。2021年京都芸術⼤学⼤学院修⼠課程美術⼯芸領域油画分野修了され、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2021 Akatsuki ART AWARD」優秀賞を受賞された期待の新鋭作家です。

 

先日、グループ展で拝見した作品は本当に素晴らしい作品でした。

【アートレビュー】新鋭アーティスト発信プロジェクト「A-Lab Artist Gate 2021」

 

今回は京都の新風館にある Ace Hotel 1階にあるギャラリースペースでの展示です。

運営者 播磨
新風館には、名和晃平さんの作品3点、新宅加奈子さんの作品、ライアン・マッギンレーの作品も展示されているので、探してみて下さい。

 

Ace Hotelの正面入り口から入って少し進んだ右手に展示スペースがあります。

部屋のような空間ではなく、ロビーの一部のようなスペースです。壁に穴を開けることができないスペースであるため大変だったでしょうが、とてもうまく展示されていました。

 

花や草木を主なモチーフに、油絵具や布といった画面を構成する要素と繊細に向き合うことで、やさしく繊細な絵画を創造する。

絵画というメディアに対する「美してく何が悪い」「やさしくて何が悪い」という自身の主張のもと、見れば見るほどジワジワと鑑賞者の目に浸透してくる余韻を持った絵画である。

制作の際、素材の持つ性質に着目し、質感の違う布を二重に重ねて用いたり絵具の配置や濃淡など、モチーフの持つ固有の性質と互いに補完し合えるようにその都度選択・手入れを重ねる。

慎重に選択された布や絵具の塊による素材の群生は素材と図像を変容し合い、草花が群生している森のテラスのようなやさしくてあたたかい光景を展示空間に創出する。

 

大小様々な作品が展示されており、最も大きな作品は 1170×2730mm と非常に迫力がありました。

大きな作品によくみられる圧迫感のようなものが、不思議と藤本さんの作品からは感じず、むしろ心地よい雰囲気です。

 

私自身、藤本さんは余白の使い方が非常にうまい作家だと思っていますが、今回の展示を見ていると、小さい作品でもモチーフの植物と余白のバランスが絶妙で、作品のサイズに関わらず藤本さんらしさを非常に感じられる展示でした。

 

藤本さんの作品は写真ではなかなか伝わりにくいので、是非生で作品をみて頂きたいです。7月31日まで。

 

 

藤本純輝 Solo exhibition 「 森のテラスで一杯の紅茶を飲む 」

2021.7.1 thu – 7.31 sat

Ace hotel kyoto 新風館内1階ギャラリー

入場無料

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