オークションなどで版画作品をみていると「ジクレープリント」や「Gclee」、「inkjetprint」と記載されていることがあるかと思います。
今回はジクレープリントについて調べてみました。
ジクレー(Gclee)の語源はフランス語でインクの吹き付けを意味しています。
インクをダイレクトに版画紙やキャンバスに吹き付けるコンピュータ技術を使った最新の版画技法です。
1980年代に開発されたドラム式プリンター「アイリス」を、写真家で音楽家のグラハム・ナッシュが使用したことが起源と言われています。
アメリカのアート業界では、シルクスクリーンやリトグラフに替わってジグレー版画が96%を締めるほど浸透しており、美術品としてすでに世界で認知された版画技法の一つです。
使われるプリンターによって性能が変わるのですが、簡単に言うと家庭用のプリンターの超高性能版と思っていいでしょう。
海外ではジクレーと普通のインクジェットプリントの違いを定義する機関があるようですが、日本ではそういった機関や定義は無いようです。
ジクレープリント=再現性が非常に高い と考えていいと思います。
ちなみに、ポスターなどで使われる、「オフセットプリント」はそもそも方法が違います。版が直接紙に触れない(オフセット)ため版の磨耗が少なく、大量印刷に適していますが、ジクレーと比べるとクオリティという面で劣ります。
私がコレクションしている山口晃さんのジクレー作品です。
とてもクオリティーが高く、言われないとプリントということが全くわかりません。
ユニークでは全く手の出ない作家(価格もそうですし、この作品は三越百貨店所蔵だと思いますので物理的に手が出せない..)の作品も、ジクレープリントであれば、私たちのような弱小コレクターでもなんとかコレクションできます。
安価で高品質、これからの版画表現の中心になっていくと思います。
いい作品があれば、皆様是非コレクションしてみてください。