アートのお値段 THE PRICE OF EVERYTHING
カテゴリー分類上【書籍レビュー】としていますが、今回紹介するのはDVDです。
タイトルは「THE PRICE OF EVERYTHING」
邦題は「アートのお値段」です。
2018年にアメリカで公開され、2019年には日本でも公開され話題となった映画(といってもアート業界だけですが…)がDVDとなり発売されました。
監督はナサニエル・カーンです。
ナサニエル・カーン
父親の建築家ルイス・カーンを描いた2003年の監督作『マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して』でアカデミー賞、インディペンデント・スピリット・アワード、エミー賞にノミネートされたドキュメンタリー映画監督。同作で2004年の全米監督協会賞ドキュメンタリー監督賞を受賞した。著名なピアニスト、レオン・フライシャーを描いた短編『Two Hands』(2006年)でアカデミー賞、エミー賞にノミネートされたほか、ディスカバリーチャンネルで『Telescope』(2015年)、『Dark Side of the Sun』(2016年)などの科学番組も監督している。現在はNASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡と宇宙生活に関するドキュメンタリー映画と、フィクション映画の脚本を準備中。
アートのお値段 公式HPより引用 http://artonedan.com
この映画は、ドキュメンタリー形式で、アーティスト・コレクター・オークショニアを中心に進んでいきます。
<出演アーティスト>
- ジェフ・クーンズ
- ジョージ・コンド
- ゲルハルト・リヒター
- ラリー・プーンズ
- ジデカ・アクーニーリ・クロスビー
- マリリン・ミンター
- など
<出演オークショニア>
- 元クリスティーズの現代美術部門のトップで、現在サザビーズのグローバル・ファイン・アーツ部門の責任者であるエイミー・カペラッツオ
- カリスマオークショニアでデ・ブリ社を設立したシモン・デ・ブリ
- フィリップスの会長兼最高責任者のエド・ドルマン
- サザビーズ・ヨーロッパの副会長のオリヴァー・パーカー
<出演キュレーター>
- 元ロサンゼルス現代美術館のチーフキュレーターであり、ハウザー&ワースの立ち上げに尽力したポール・シンメル
- など
よくこれだけの面子を集めたなという感じです、、、
世界のアートの中心ともいえる出演者といえるでしょう。
しかし、何よりもこの作品の1番の見所は、大コレクターのステファン・エドリスです。
世界最高のコレクターの1人ですが、コレクションがこれでもかというくらい出てきます。
マンション住まいですが、普通にクーンズやウォーホールなど美術館レベルの作品が所狭しと飾られています。(あのラビットもあります)
残念ながら、お亡くなりになられたようですが、途轍もないコレクションです、、、
出演者も豪華ですが、内容もとてもよく作られていたと思います。
ジェフ・クーンズのような今風なブランディングをするアーティストと、ゲルハルト・リヒターやラリー・プーンズなど古風なアーティスト(といえば語弊があるかもしれませんが)のアートマーケットへの考え方の対比
ジョージ・コンドやジェフ・クーンズのような世界トップクラスのアーティストとマリリン・ミンターやジデカ・アクーニーリ・クロスビーのような、これから評価が高まるであろうアーティストのアートマーケットでの状況の違い
批評家とコレクターのジェフ・クーンズの作品を巡る評価
など、様々な立場の人間の考え方や仕事ぶりを見ることができ、アートの世界の奥深さを、良い意味・悪い意味両方で感じさせてくれます。
アートコレクター、ギャラリー関係者、アーティスト
どの立場であれ楽しむことができる映画だと思います。
皆様、是非観てみてください。おすすめです