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【アーティストインタビュー】#009 谷川美音

【アーティストインタビュー】谷川美音

  • 1988年 京都生まれ。
  • 2013年 京都市立芸術大学 大学院美術研究科修士課程 漆工 修了

2017年に「第12回大黒屋現代アート公募展」入選、最近では成田国際空港 JALファーストクラスラウンジに作品を納めるなど、近年様々なフィールドから注目を集める作家。

 


 
運営者 播磨
以前からアートフェアやグループ展でよく作品をお見かけしていました。
遠くから見ると、一見壁に描かれているような平面作品に見えますが、近づくと立体感があり、文字や記号、サインのようなモチーフが軽やかに踊っているように見えてとても面白い作品です。平面と立体、そして工芸と現代アートそれぞれをクロスオーバーさせ、高いクオリティで仕上げる作風に興味を持ちインタビューをお願いしました。

 
自己紹介をお願いします。
谷川美音と申します。京都で漆の作家として活動しています。
 
作風やコンセプトを説明して下さい。
自分のドローイングを起点に、それをFRP(樹脂+グラスファイバー)に置き換えて形を作って、その上に漆の工程を施すという作品を作っています。

漆は液体で形を持たない素材なので、何かに塗るっていう使われ方をしていることがほとんどなんです。

液体である状態は作る側の当たり前の姿なんですけど、それ以外の大多数の方にとっては何かに塗られた状態のものしか見る機会が無くて、そもそも液体ということを知らない方も結構いらっしゃったりして、素材の本来の姿、美しさを瞬間的に留めたような軽やかな造形をしたいと思って今の作風になっています。
 
最近、制作されている作品について説明してください。
最近は線状のものが気になっているというか、その中でも細い線の形、動きに興味があって、蔓とか蔦とか線状の植物をモチーフにしています。

ドローイングは実際にモチーフとなるものや資料を見ながらするのではなく、頭の中で想像しながら、私の記憶の中で混ざって出てきた形です。
 
自分の優れていると思う点は何ですか?
淡々とやり続けられる性格ですかね。朝から晩まで毎日、みたいなことがそんなに苦じゃなくやり続けられる、そういう自分の性格と漆の作業との相性が合っているんじゃないかなと思って漆をやり始めたのもあるんで、制作においては長所かなと思います。
 
苦手なことはなんですか?
人混み、暑さですね。
 
影響を受けたアーティストは誰ですか?
1人と言われると困るんですけど、好きな作品を1つ挙げてって言われた時に答えてるのが、円山応挙の氷図屏風という作品です。
 
どういう子供でしたか?
ちょっとませてたと思います。笑

あとは手を動かすのが好きな子供でした。折り紙、編み物、ビーズアクセサリーなどなど。昔からちまちまと細かいことに定期的にハマってはいっぱい作ってました。

幼稚園か小学校低学年かの時に書いた作文?に「着物の帯を織る職人さんになりたい」と書いてたのを数年前に発見しました。
 
アート以外で好きなことはなんですか?
旅行です。
 
1番思い出に残っている作品やプロジェクトは何ですか?
やっぱり初めての個展かなと思います。2017年にFINCH ARTSで開催した「形をなぞる」です。

私が制作をしている共同スタジオが3年前にオープンスタジオをした時にFINCH ARTSのオーナーさんが遊びに来てくださって、その時にはじめましてだったんですが、作品を気に入って下さって、展示してみませんかと言っていただいてお付き合いが続いています。

ちょうど仕事を辞めてボチボチ制作を再開し始めていた頃だったので、タイミングよくお声がけ頂きました。
 
夢を教えてください。
夢、、、
現実的なところでは、自分の作品で生計を立てていけるようになれたらいいなというのが夢というか目標です。あと、永く制作を続けられる作家になりたいです。

もうちょっとフワッとした夢は、色んなところにいって、色んな文化に触れて…放浪したいなっていうところですね。笑
 
Courtesy of Mine Tanigawa
 
Courtesy of Mine Tanigawa
 
Courtesy of Mine Tanigawa
 
Courtesy of Mine Tanigawa
 
http://syuumatunoart.com/2019/10/30/【アーティストインタビューまとめ】/

 

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