Gallery Collection – 舟越桂
TEZUKAYAMA GALLERY で開催されている「Gallery Collection – 舟越桂」にお伺いしてきました。
今回は平野泰子さんの個展との同時開催で、舟越さんのコレクション展はビューイングルームで開催されています。
1951年に盛岡県に生まれた舟越桂は、1980年代に清新な風を吹き込むような作風で美術界に登場しました。楠を素材とした具象的な人物像によって高い評価を獲得後、ヴェネツィアやサンパウロのビエンナーレ、カッセルのドクメンタ、さらにはロンドンやニューヨークでの個展開催など、その活動は国際的な広がりを示し、人間という存在に深い関心を抱く多くの人びとの注目を受け続けています。
目紛しく様々なものごとが移り変わる混沌とした現代社会において、舟越桂の作品は、そこに一筋の光を投げかけ、行く手を照らしだすかのように静かに佇みます。
今展では、現代の日本を代表する彫刻家のひとり、舟越桂の作品に焦点を当て、ギャラリーコレクションから彫刻、ドローイングなど、厳選した作品を複数点展覧いたします。
TEZUKAYAMA GALLERY 公式HPより引用
舟越桂さんの大ファンであるオーナーの松尾さんのコレクション展です。
展示空間には、若かりし頃の松尾さんが舟越作品と並んで撮った写真が額に入れて飾られています。
TEZUKAYAMA GALLERYでのコレクション展はよく見てきましたが、オーナーの個人的な写真を展示空間に飾っているのは初めて見ました。というか、どこの展示でも見たことがありません。笑
[今展によせて]
1995年に渡米の際、ニューヨークのメトロポリタン美術館で初めて舟越桂さんの木彫作品と出会った。 その衝撃は今でも忘れられない記憶として残り、舟越桂さんの虜になった。 それから28年が経ち、ようやくコレクションとしてギャラリーに迎え入れることができた。 ARTに携わっている者として、幸福感を得られる瞬間です。
松尾良一(TEZUKAYAMA GALLERY / Owner Director)
TEZUKAYAMA GALLERY公式HPより引用
今回のメイン作品である木彫の立体作品です。山を思わせる胴体と、舟越さんの妙にリアリティのある頭部がとても存在感があります。
舟越さんの作品集にこの作品が掲載されていましたが、下の黒い台座はついていませんでした。
購入されたコレクターが後から付けられたものと思われますが、台座があることにより彫刻の目線が鑑賞者の目線の高さとなり、頭部と胴体部分だけの作品ですが、全身像のような存在感となっています。
台座をつけることはコレクターとしてはなかなか勇気がいることだと思いますが、作品のことを理解し、愛のあるコレクターだったことを感じさせます。
版画作品も一つ一つ表情が違い、今まで単体で見ると気づかなかった表現の違いを感じることができました。特に3枚組で展示されている小さな作品は初期の頃の作品でとても貴重な作品です。若さを感じます。
舟越さんの作品をまとまって観たことなかったので楽しみにしていましたが、期待を裏切らぬ素晴らしいコレクション展でした。
貴重な機会ですのでぜひ!
コレクション展 | Gallery Collection
Gallery Collection – 舟越桂
2023.5.12 [Fri] – 6.10 [Sat]12:00 – 19:00 | 休廊日: 日曜日, 月曜日