Art Collaboration Kyoto
少し遅くなってしまいましたが、先日京都で行われたアートフェアArt Collaboration Kyotoのレビュー記事です。フェアの感想を述べていきたいと思います。
フェアについて
Art Collaboration Kyoto は、
2022年11月18日(金)−11月20日(日)京都で開催されたアートフェアです。
Art Collaboration Kyotoの注目ポイントについて、私のコメントが婦人画報デジタルさんで紹介されています。
Art Collaboration Kyoto(ACK)は、「現代アートとコラボレーション」をテーマに京都で開催するアートフェアです。現代アートに特化したアートフェアとしては日本最大級で、日本と海外のギャラリー、行政と民間、美術とその他の領域などがコラボレーションする点に特徴があります。
メイン会場の国立京都国際会館では、「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」の2つのセクションを設け、作品の展示や販売を行います。
また、京都市内では新たに就任した山下有佳子プログラムディレクターが企画する特別展示を行うほか、ACKの会期にあわせたサテライトプログラムを多数予定しています。ーArt Collaboration Kyoto 公式HPより
昨年に引き続いて2回目の開催となりましたが、国内外のギャラリーが参加することもありコレクターからの注目度も高く、日本を代表するアートフェアとなった印象です。
昨年の1回目はCOVID-19の影響で2度の延期を経ての開催となりましたが、来場者数13,910 人(市内サテライト会場含む)、出展者総売上2億5000万円と、1回目&コロナ渦であることを考慮すると成功と言える結果でした。今回は注目度も増して、COVID-19も少し落ち着いている時期でしたので、恐らく第1回を上回る結果となったのではないかと思います。
今回は出展ギャラリーも前回の54から65と増えており、国内では SCAI THE BATHHOUSE や MAKI Gallery など、トップレベルのギャラリーの新たな参戦も見られました。
海外のギャラリーも22から29に増え、実力のあるギャラリーが多く充実したラインナップで、ギャラリースタッフも来日して在廊しているところも多い印象でした(昨年は非常に少なかったようです)。
このアートフェアの醍醐味が国内ギャラリー × 海外ギャラリー の組み合わせですが、それぞれのギャラリー同士が様々な経緯で結びついており、ギャラリーの組み合わせの理由を自分なりに考えたり、お話を伺うのがとても面白かったです。
会場について
会場は、国立京都国際会館のイベントホールです。この国立京都国際会館、京都中心部から少し遠いのが難点でした。
私は車で伺いましたが、土日は京都中心部が混雑しますので、少々時間がかかってしまいました。
電車ですと京都市営地下鉄烏丸線「国際会館駅」から徒歩5分の位置とアクセスはしやすいですので、電車で行くのがベストかと思います。
規模的にはかなり大きい施設で、中も十分な広さがありました。ブースのスペースがかなり広かったのでとても観やすく、小さめのギャラリーくらいのサイズ感があり、国内のアートフェアではダントツに大きいように感じました。大きいからこその展示をしているところも多く、とてもよかったと思います。
昨年は四角い箱(ギャラリーブース)がバラバラな角度で配置されているような形でしたが、今回は京都の碁盤の目のように規則的に並んでいましたので、よりスペースを有効活用できていたと思います。探検気分を味わえるのは昨年の配置かもしれませんが、かなり分かりにくい場所になってしまったギャラリーもあったようなので、平等性という意味でも今年の配置がベストなように感じました。
フェアの改善してほしい点
昨年よりは分かりやすくなっているとはいえ、正直迷います。お目当てのギャラリーが中々見つけにくいので、MAPを会場内にもう少し掲示されていてもよかったのかなと思います。
また、組んでいるギャラリー同士がテイストが似ていることが多いので、どちらのギャラリーの作品なのか少し分かりにくい印象でした。
作品リストもギャラリーによって作り方がまちまちで探しにくかったので、プライスを隠したリストでもいいので共通した方法で壁の裏とかに掲示していてくれると助かるなと思いました。実際すごくいいなと思った作家さんでも、誰の作品か分からなかったものがいくつかありました。
アートフェアは「知らない作家と出会う」ことが一つの醍醐味なので、来年以降改善してくれると助かるなと思いました。
まとめ
個人的な意見ですが、Art Collaboration Kyoto は Art fair Tokyo を超えた日本一のアートフェアになるのでは?と思いました。
今後もギャラリー数を増やしたり内容をアップデートをしていき、いずれ海外のメガギャラリーが参戦すれば、国際的なアートフェアとなり得る可能性は十分あるかと思います。
ただ、そこで重要となってくるのが、ホストとなる国内のギャラリーが、もっと世界への影響力を高めていくことが必要かと思います。
このフェアのルールであるコラボレーション展示ということを考えると、海外のギャラリーは国内のギャラリーが呼んでこなくてはなりません。グローバルに戦えるギャラリーでないとメガギャラリーを呼んでくることは難しいと思いますので、Art Collaboration Kyoto の発展は、ある意味国内の参加ギャラリーの発展次第なのかなと思いました。
今回拝見していても、十分その力はあるギャラリーばかりだと思いましたので、日本のアートの未来、そしてArt Collaboration Kyoto の未来を今後も楽しみにしていきたいと思います。