【アートレビュー】HOTEL ANTEROOM KYOTO<客室編②>
前回、 <客室編①> に続いて
今回は、名和晃平さんのコンセプトルームを紹介します。
ホテルアンテルーム京都では最も広い、専有面積40㎡の庭付ツインルームです。
非常に貴重な作品がいつくか展示されていますので、作品と部屋の雰囲気を紹介していきます。
名和晃平
身体の感覚と視覚から得られる情報の境界を認識の変換点とし彫刻化する試みを、one texture one materialで表現。新たな造形概念を探求しつづける。PixCell(Pixel [画像]+Cell [細胞・器])と命名した概念に基づいて制作された作品群は世界的に高い評価を得ている。
近年、日本代表として各国での美術展に多数参加。またジャンルの垣根を越えた様々なコラボレーションワークも積極的に展開している。現在最も注目されている現代美術作家の一人である。
Gallery Nomart HPより引用
リビングルーム
入ってすぐに大きな平面作品「Direction」が目に飛び込んできます。
ベッドの幅が120cmですが、それよりも幅が広く迫力のある作品です。
部屋の壁と同調するように白とグレーで描かれた作品は、外からの光に当たり美しく輝いていました。
ベッドの足元側のスペースには小さなテーブルと椅子が設置され平面作品「Moment」と、上の壁に「PixCell-Axe(Mica)が飾られています。
隆起していない最近の技法のMomentなので2019年か2020年の作品でしょう。
壁に「PixCell-Axe(Mica)」がぶっ刺さっています。
藤元明さんとの共作のPixCell作品で、モチーフの斧は光の当たり方によって色が変わる塗料が使われています。
ベッドの奥のスペースにはソファとテーブル、テレビが設置されています。
テレビはミラーテレビとなっていて、客室に入った時に風景が反射し、庭を取り込むようなデザインになっています(写り込むので撮影はしていません)
ソファの上には、振付家 ダミアン・ジャレとのコラボレーションによるパフォーマンス「VESSEL」のダンサーを彫刻にした作品「Totem ( 1/3_Black Si_VESSEL ) ed.1/10」が飾られています。
炭化ケイ素で覆われているため、外光が当たるとキラキラと光り綺麗です。
庭には代表作である「Ether」が展示されています。
「Ether」は、粘度の高い液体が床に落ちるさまざまな段階の形状を3Dモデル化した彫刻作品です。京都では新風館で巨大な「Ether」が展示されています。
この周りに敷き詰められている石は、名和さんが探しに行って、自ら敷き詰められたようです。
浴室
浴室もこのコンセプトルームの目玉の一つです。
樽型の風呂からは庭の「Ether」が観れるようです。夜がどのように見えるのか気になります。
所々真鍮が使われており、グレーベースの内装によく映えています。
以上、ホテルアンテルーム京都の紹介でした。
アートに囲まれる時間を過ごすことができるこのホテル、関西に来られた際は、是非泊まってみてください。オススメです。