「Self Portrait 」Gallery Nomart
大阪のGallery Nomartで開催中のグループ展「Self Portrait」についてレビューします。
世界が揺らいだ2020年、作家は自己と向き合い何を表現するのか?
今ここでしか見られない豪華10組が「セルフポートレート」に挑むグループ展1年を締めくくるギャラリーノマル恒例のグループ展、今回のテーマは「セルフポートレート」。
稲垣元則, 今村源, 上田佳奈, 田中朝子, 張騰遠, ドットエス, 中原浩大, 名和晃平, 松井智恵, 山田千尋という、若手から大御所まで個性豊かな作家10組が、自由な解釈で各々の「セルフポートレート」を提示します。
コロナ禍によって世界のあらゆるものが揺らいだ2020年。今、作家たちは自己と向き合い何を表現するのでしょうか。
Gallery Nomar 公式HPより引用
ここでしか見られない作家たちの豪華共演、是非ともご高覧くださいますようよろしくお願い致します。
テーマはセルフポートレート、文字通りセルフポートレートでもいいし又はセルフポートレートをテーマにした作品でもいい。 セルフポートレートというとそれは自己というものが付きまとい非常に難しいテーマと思われますが、アートの新しい価値観のひとつとしてアーティストが自己について考える必要があると思いました。 自身のセルフポートレートでもいいですしセルフポートレートをテーマにした作品でも構いません。アーティストの存在証明が価値を生むかというと難しく言い過ぎのような気がしますが、そのようなことを考えています。
林聡 (ノマル・ディレクター)
作品の後ろにいる作家そのものをどのように問題にするか、それぞれの10人の作家のセルフポートレート展。
Gallery Nomartでは、毎年恒例の年末のグループ展となっていますが、今年は「self portrait」がテーマです。
もともと、これぞ絵画というようなストレートな表現をする作家は少ないギャラリーですが、今回は特にセルフ・ポートレートをストレートに表現をしなさそうな作家がセレクトされている印象です。
山田千尋
山田千尋さんの作品です。山田千尋さんは1994年生まれの新鋭で、私もコレクションしており注目している作家です。セルフポートレートでこのモチーフを選んでくるとは…笑 わかる人にはわかるモチーフです。
稲垣元則
稲垣さんはアクリル樹脂にマウントされた写真作品。前回の個展で展示されていた映像作品も販売されていました。
今村源
今村源さんは自身がモチーフの立体作品です。
カラーワイヤーで制作されています。
張騰遠
台湾の人気アーティスト張騰遠さんの小作品です。独特の色彩がとても良いですね。近くで見るとクオリティの高さがうかがえます。
田中朝子
田中さんは代表的なシリーズである写真作品と、その写真作品を制作するにあたって使用した装置や器具を並べたプリント作品です。作品制作の苦労が見えて面白かったです。
中原浩大
中原さんらしい謎な作品ですが、左の作品がとてもよかったです。抽象的な絵に見えますが、タイトルと照らし合わせて見ると見えてきます。笑
上田佳奈
若手作家の上田さんはアクリル樹脂にプリントした作品です。プリントの元データは恐らくシルクスクリーンを用いたような質感でした。モチーフ・技法ともに説明を聞いてみたい作品ですね。
名和晃平
名和晃平さんの代表作PixCellです。名和さん曰く、世界最小のPixCell Deerとのことです。笑
土台が23×23cmと非常にサイズの小さい作品でしたが、しっかりとビーズで覆われていました。中のモチーフはガラスでできた鹿のようです。
予想通り、これがセルフポートレートなのか?!という作品が多かったですが、作家それぞれの個性が見えて面白い展示でした。
Self Portrait (Group Exhibition)
中原 浩大, 今村 源, 名和 晃平, 稲垣 元則, 田中 朝子, 松井 智惠, ドットエス 橋本 孝之 & sara, 張 騰遠 チャン テンユァン , 上田 佳奈, 山田 千尋
2020.11.14(sat) – 2020.12.26(sat)
13:00 – 19:00 日曜・祝日休廊