美術手帖のECサイト「OIL by 美術手帖」で抽選販売をされたことで話題となった「名和晃平作品集『METAMORPHOSIS』特装版-COLLECTOR’S EDITION-」の開封レビューをしていきたいと思います。
もうすでに 様々なSNSやサイトでも開封レビューされているので、少しマニアックな内容を盛り込んでレビューしていきたいと思います。
梱包・外箱
梱包は非常に厳重でした。厳重すぎて出すのが大変でした…笑
1番外側は気泡緩衝材(以下、プチプチ)です。段ボールをプチプチで何重にも包んでありました。
段ボールの中に本体の箱が入っているんですが、本体の箱にもプチプチが厳重に巻かれています。
頑張って開けると以下のような黒い箱が出てきます。
非常に硬い高級感のある箱です。
作品集・黄袋
開けると作品集が出てきます。この作品集単体でも18,000円(税別)しますが、非常に充実した内容です。限定数1500
作品集と作品集を納めていた箱を取り出すと黒くて柔らかいカバーが出てきます。カバーを外すと黄袋が見えてきます。やはり黄袋が見えるとワクワクしてきます。
マルチプル作品
今回は、「Velvet-Ether(family,NB)」を手に入れることができました。
「Ether」は、粘度の高い液体が床に落ちる様々な段階の形状を3Dモデル化した彫刻作品です。
国内でしたら京都の新風館や犬島の「F邸」、海外でしたらサンフランシスコ国際空港近くに高さ10mのEtherが展示されています(大きいので飛行機から見えるみたいです)。
今回の作品は大きさの違う4本のEtherですが、おそらく名和晃平さんのファミリーをイメージしていると思われます(タイトルにもfamilyが)。
1番大きいのが名和さん、次に大きいのが清川あさみさん、小さいの2つがお子さんですね。
我が家も名和さんと同じ4人家族ということもあり、今回この作品を選びました。
我が家の照明が暖色系なので色味がうまく写りませんが、かなり黒に近いブルーです。濃紺の方が近いかもしれません。
4本が全て違う形・高さなので、角度によって位置関係が変わって面白い作品です。
「Velvet」は、様々なモチーフの表面に、苔や菌糸のような絨毛を付着させている作品です。
2018年にSCAI THE BATHHOUSEで開催された「Biomatrix」と、Gallery Nomartで開催された「Element – Black」では、液状の発泡ウレタンによるドローイングの表面にVelvetを付着させた作品が展示されていました。
この「Velvet」の表皮、どこかでみたことがありませんか?
今回のマルチプルもそうだと思うのですが、実はシルバニアファミリーと同じ表皮だと聞いたことがあります。
シルバニアファミリーを昔作っていた職人さんが、シルバニアファミリーの工場が中国に移った加減で、仕事の手が空いていることもあり協力してもらっているようです。
パイルの色や長さを自由に選べてミックスしたりもできるようで、今回のマルチプルは短いバイルが使われているように感じます。
少し触ってみたい気もしますが、Velvetシリーズは非常にホコリが付着しやすいようで、過去に発表された作品では、アクリルに収められた状態で発表されており、今回もアクリルから取り出せないようになっています。
一般的に考えれば非常に高価な作品ですが、近年の名和さんの立体作品はセカンダリー・プライマリー共に価格もどんどん上がってきており(PixCellとかは最低でも数百万円するレベルです)、このクオリティでこの価格は今後なかなか出会えないかもしれません。
大満足の作品でした!