隔離式濃厚接触室
久しぶりのアートレビューです。
と言いましても、今回は展示を直接観に行ったのではなく、今回はウェブページを舞台とする特殊な展示を見てきました。
展示のタイトルは「隔離式濃厚接触室」、詩人の水沢なおとアーティストの布施琳太郎の2人展です。
以下、公式説明
COVID-19の感染拡大と、それに伴う展示芸術の不自由に対する抵抗として、布施琳太郎の企画による『隔離式濃厚接触室』を開催いたします。
本展は詩人の水沢なおと、企画者でもあるアーティストの布施の二人展です。これはウェブページを会場とする展覧会ですが、ギャラリーや美術館などで行われるはずだった展覧会を代替するための「オンラインビューイング」や「バーチャルツアー」とは異なります。家から出ることのできない時間のなかで布施は、都市のなかに置かれた展覧会が果たすべき役割を再考しました。
今回、用意される会場は「1人ずつしかアクセスできないウェブページ」です。1人以上の鑑賞者が滞在することのできないウェブページによって布施は、個別の身体の完全な隔離と、彼が掲げる「新しい孤独」というコンセプトの成立を同時に達成することを試みます。
家や部屋から自由に出ることができない社会でこそ可能になる芸術の体験に、ご期待ください。
公式HP https://rintarofuse.com/covid19.html より引用
簡単にいうとウェブで鑑賞する展示です。
誰かが展示を観ていると、他の人は観ることが出来ません。そのため、開始直後の4月末から5月上旬は中々入ることが出来ない状況でしたが、現在は比較的入りやすくなっています。
鑑賞者がいた場合、以下のような画面になります。
三密は完全に回避されており、新型コロナウイルスと戦う今の時代をうまく表現した試みです。
内容は簡単にネタバレしそうなので詳しくは言いませんが、詩と画像を用いた作品です。
最初は漠然と作品を観ていましたが、途中であることに気付きビックリしたと同時に少し怖くなりました。
こういったネットのシステムを使った作品はこれからも色々と出てきそうですね。
新型コロナウイルスが社会の型を変えて行くと言われていますが、現代アートの世界もいい意味での変化が起こってくるかもしれません。
隔離式濃厚接触室
↓
https://rintarofuse.com/covid19.html
開催概要
公式HPより抜粋
名称:隔離式濃厚接触室
会期:2020/4/30(木)〜無期限
時間:24時間
会場:rintarofuse.com/COVID19
入場料:無料
キュレーション:布施琳太郎
アーティスト:布施琳太郎、水沢なお
メインビジュアルタイポグラフィ:八木幣二郎
システムエンジニア:原淳之助
助成:アーツコミッション・ヨコハマ
問合せ:rintarofuse@gmail.com(布施)