今回の書籍レビューは名和晃平率いるSANDWICHの公式書籍について紹介します。
SANDWICHとは、名和晃平が京都の伏見の旧サンドイッチ工場跡をリノベーションしたスペースを拠点に、アーティストや建築家、デザイナーなどの様々なジャンルのクリエーターが集う、創作のためのプラットホームです。
私も何度かお伺いさせて頂いたことがありますが、本当に刺激的な空間です。
この書籍は、名和晃平のことは勿論ですが、SANDWICHのことを中心に紹介している書籍になります。
それほど大きな本ではありませんが、オールカラーで非常に充実した内容です。
書籍のコンテンツは以下の分類になります。コンテンツ分類すらカッコいいですね。
- creative platform
- medium
- open community
- collaboration
- factory / lab
- networking
- sculpture / cell
- material / texture
- alternative
- trans program
- real / unreal
1.creative platform では、SANDWICHを造っていくにあたり、大きく影響を受けた「STUDIO BANANA」や「イェッぺ・ハイン」のスタジオについて解説されています。また、ミュージシャンの「ゆず」とのコラボレーションについても触れられているところが興味深いですね。
2.medium では、名和晃平の作品を語る上で欠かせないmediumについて本人が語っています。様々なプロジェクトの貴重な制作現場の画像も沢山掲載されています。
3.open community では、SANDWICHで制作・滞在しているレジデンスや学生とのプロジェクトについて解説しています。私が訪問した際も沢山の学生さんがおられました。今までもかなりの国籍のレジデンスを受け入れているようです。
4.collaboration では、「ギャルソン」「ゆず」等とのコラボレーションについて画像を中心に紹介されています。この本が出版された2014年でも沢山のプロジェクトを抱えていますが、今は比較にならない程のとてつもない量のプロジェクトを抱えられています。
5.factory / lab は、SANDWICHの建物のリノベーションについて図面などを用いて解説しています。現在も少しずつ改装されており、進化し続けています。
6.networking と 7.sculpture / cell では、バングラディッシュでの滞在制作や、代表作の一つである『Manifold』の深圳での制作現場など、国内外の様々なプロジェクトについて解説されています。
8.material / texture と 9.alternative と 10.trans program では、代表作である『PixCell』や『Foam』『Trans』などについて解説されています。『Foam』の内部構造の配置概念図が掲載されていますが、とても面白いですね。見てはいけないようなものを見てしまったような気がしますが、、
11.real / unreal は、商業的なジャンルとのコラボレーションやSANDWICHの建築チームが設計した家、グッズなどについて紹介されています。DiorのPixCellとシャンデリアのPRISMは生で見てみたいですね。
小さな本ですが、名和晃平ファンにはたまらない内容の書籍です。
クリエイターの方やアートファンの方にも、日本のトップアーティストの1人であり、様々な領域で活躍する名和晃平の活動を知ることができるこの一冊は非常にお勧めです。