「Kyoto Art for Tomorrow 2020 ―京都府新鋭選抜展―」
京都文化博物館で開催されている「Kyoto Art for Tomorrow 2020 ―京都府新鋭選抜展―」に行ってきました。

【会期】
2020年1月25日(土)~2月9日(日)
*休館日:月曜日
*開室時間10:00~18:00。金曜日は19:30まで。(入室はそれぞれ30分前まで)
【会 場】
京都文化博物館 3階展示室
【入 場 料】
一般500(400)円、大学生400(320)円、高校生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
*上記料金で、2階総合展示・3階フィルムシアターもご覧いただけます
京都府新鋭選抜展は、60年以上の歴史をもつ若手作家を紹介するグループ展です。
今回、特別展示されている宮永愛子さんも過去に選出されています。
選考・審査委員も関西のアートシーンの中心になっている方々で、毎年、才能豊かで様々なジャンルの若手作家の作品が出展されています。
今展の選考・審査委員は以下のメンバーになります。
太田垣實 (美術評論家)
菅谷富夫(大阪中之島美術館準備室 室長)
建畠晢(多摩美術大 学長、京都芸術センター館長)
中井康之(国立国際美術館 副館長兼学芸課長)
不動美里(姫路市立美術館 副館長兼学芸課長)
では、気になった作品をいくつか紹介したいと思います。

「Drip color Combine-September 12,2019」
パネル、アクリル絵具、メディウム
注射器を用いて描くことで有名な近藤大佑さんの作品。近づいて観ると一見抽象的に見えますが、離れてみると全貌が見えてきます。横から見ると、ボコボコとした表面がみえたり、様々な角度で楽しめる作品です。

「Landscapes(Kuze) 」
キャンパスにアクリル、油彩、パステル
初めて見た作家さんですがとてもいいですね。街の風景と思われるモチーフが、優しい色合いでボンヤリ(悪い意味では無く)と描かれています。

以前アーティストインタビューにご協力頂いた新宅加奈子さんです。自らの身体に絵具を纏うパフォーマンスの写真作品です。
前の個展よりも人間味がより無くなっています(これも悪い意味ではありません)。地層のような、どこか違う惑星の大地のような異質な雰囲気は、観る側に強烈な印象と戸惑いを与えます。

「歩行者7」
油彩、キャンバス、糸
抽象的ですが、細かな描き込みも見え隠れしているので、本人にはかなりリアルにイメージしながら描いていると思います。私には歩行者のイメージは見えませんでしたが、色のバランスも素晴らしくセンスのある楽しみな作家さんですね。

「土の上」
インクジェットプリント、紙
柳瀬安里さんは映像作品のイメージですが、今回は複数の写真を用いた作品です。非常にシュールですが、色々と考えさせられる、とてもいい作品です。

「mountain」
顔料、ガゼイン、油、膠、石膏、麻
非常に才能を感じさせる作家さんですね。圧倒されます。もっと現代アートのフィールドで戦って欲しいなと思います。

「遠音」
コンクリート、合板、ミクストメディア
聴診器でコンクリートの中の音を聴く作品です。意外な音が聞こえて、中々面白い作品でしたが、やりようによっては、もっと面白い作品になりそう。

「円を描く」
鉄、アルミ、ケント紙、ペンキ
絵だけ見たら具体っぽいなと思いましたが、製作工程や装置が中々手が込んでいます。

「フィンの振れ」
アルミフレーム、ディスプレイ、木材、モーター、カメラ、マイコン
小林椋さんの作品は面白くて、いつもじっと見入ってしまいます。中々売れにくいでしょうけど、これからどんどん評価されていきそうな気がします。大規模な作品や展示を観てみたいです。

「自分になる」
ミクストメディア
最初はよくわからんなと思いながら見ていましたが、じっくりと観るととても良い作品でした。少し考えさせられました。
比較的人が少なく、一つ一つじっくり観ることができました。
さすがに推薦された作家なだけあって良い作品が多く、とても楽しめました。
来年も楽しみです。