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泥深い川 / Muddy River

墨田区曳舟にあるトークンアートセンターで、墨田区曳舟駅周辺の各所を舞台とした企画展が開催されます。

 

墨田区曳舟で気鋭のアーティストを紹介するToken Art Centerが、墨田区のプラネタリウムや工場跡などを舞台に街中の各所で展覧会を開催します。参加アーティストは現地制作、リサーチなどを経て、絵画、映像、インスタレーションを発表。墨田の街に散在する人や自然の営為にも注目し、それらとアーティストの作品を交差させ、互いが響き合う展覧会を試みます。曳舟、押上の街を巡りながら鑑賞する展覧会です。

川には、太古から変わらずあるもの、人の手によって改変されたもの、完全に人工で築造されたもの、あるいは埋め立てられもう見ることができなくなってしまったものなど、様々な位相のものが存在します。そして、それらは地形や地質、重力など自然条件だけでなく人々の思想や文化あるいは政治的な力学などが相克し、混淆し、折衷しながらそれらの形を決定づけているように思います。
一方で、ロバート・スミッソンは、人がアースワークを考える際に経験する、人の心と大地の混淆状態を《泥のような思考》といいます。人の内部の思考と外部の物理的な世界の未分化状態。都市にある構造物を見るとき、それは泥のような思考の産物と捉えることができるかもしれません。
川や道路の線、植物が生み出す有機的な線、空から降る稲妻線、そしてアーティストが描く一本の線は、いかに決定して形づくられるのか。またその線はなにを生み出すのか。本展は各所にちらばる様々な線形をモチーフにしています。

 

下のメインイメージとなる画像は赤羽史亮さんの描き下ろしで、今回の会場マップにもなっているようです。

いくつかの会場を回りながら楽しむ展覧会のようで、小さな都市型アートフェアのようですね。

出展作家も面白いアーティストが揃っています。どんな展示になるのか非常に興味深いですね。

 

赤羽史亮 Fumiaki Aahane

1984年長野県生まれ。2008年武蔵野美術大学油絵学科卒業。キャリアの初期か
ら現在まで一貫して油絵を制作。絵具と自身の新鮮な関係を求めて、スタイルは
固定せず作品ごとに様々な筆触や絵具の扱いを試しながら描く。近作では、自身
の周りに広がる社会的抑圧や暴力、不条理など日々の生活の中で感じる違和感を
モチーフに、独特のユーモアで描いている。

近年の個展に「Compost Paintings」(2019年, アートラボはしもと, 神奈川)、「Against gravity」(2020年, Token Art Center, 東京)。

伊阪柊 Shu Isaka

1990年奈良県生まれ。東京藝術大学美術研究科博士課程在籍。地質や自然環境と
、それら周辺で起こる現象や人の営みをリサーチしながら、自然科学と疑似科学
の間を行き来するような作品を制作。地下構造などの見えない領域に関心を持ち
、そこへどれだけ多弁な想像力を注入することができるかを映像メディアを用い
て考えながら、映像特有の説得力を模索している。

近年の展覧会に、「Synthetic Mediart 2019」(2019年, EcoARK, 台北)、個展「Periodic Lull」(2020年, Token Art Center, 東京)。

泉太郎 Taro Izumi

1976年奈良県生まれ。作品の展開と研究は同軸で行われ、その過程で発生する摩擦や矛盾も含んだ作品は隠されたルール、人間を形作る環境についての批評となる。身体と映像、画像などのメディア間の往来についての問いは、一見不条理なパフォーマンスや映像、写真やドローイングなどにより提示される。

近年の主な個展に、Pan (2017,パレ・ド・トーキョー, パリ)、突然の子供(2017年,金沢21世紀美術館,金沢)、「とんぼ」(2020年,Minatomachi POTLUCK BUILDING、愛知)、コンパクトストラクチャーの夜明け(2020年, タケニナガワ, 東京)、ex(2020年,ティンゲリー美術館, バーゼル)。

松永直 Nao Matsunaga

1980年、大阪府生まれ。2007年ロイヤルカレッジオブアート セラミックアンドグラスプログラム修了。主に粘土や木材を用いた彫刻やペインティングなどを制作。儀式的、元型的な形象に興味を持ち、人類の意識下にひそむ造形的蓄積を探っていくように、自身と目の前にある素材との作用、反作用の往還の中で作品を制作する。

近年の展覧会に「Things of Beauty Growing」(2017年, Yale Centre for British Art, コネチカット)、「Barefoot」(2019年, Large Glass, ロンドン)、「New Sculptural Presence」(2019年, Nilufar depot, ミラノ)。

柳瀬安里 Anri Yanase

1993年埼玉県生まれ。2016年京都造形芸術大学美術工芸学科現代美術・写真コース卒業。これまで人間関係や政治的な軋轢の現場などへ自らの身体を投じて行うパフォーマンスのドキュメントを映像作品として発表している。身の回りの出来事を出発点とし、それが何なのかを考えるため、知るためのひとつの方法として作品を制作している。

近年の展示に「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」展(2019年, 兵庫県立美術館, 兵庫)、「ニューミューテーション#3 菊池和晃・黒川岳・柳瀬安里」(2020年, 京都芸術センター, 京都)。

 

これだけの個性的な作家が集まり、この規模で行うのにもの関わらず入場料は無料のようですので、皆様も行かれてみてはいかがでしょうか。


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