【プレイバック】日産アートアワード
今回は、日産自動車が2013年より隔年で開催している現代美術のアワード「日産アートアワード」について振り返ってみます。
「日産アートアワード」は、才能ある日本のアーティストをグローバルな視点で選抜し、海外のアートシーンでプレゼンスを高めることを後押しすると共に、日本現代美術の軌跡を後世に残し、人々がアートに親しむ社会作りを目的に開催される現代美術のアワードです。現代社会を瑞々しい感性で鋭く見抜き、特に過去2年間の活躍が目覚ましかったアーティストに贈られます。また、本アワードを継続し、日産自動車が作品を蒐集することで、国際アートシーンにおける日本現代美術の参照点となることを目指しています。
日産アートアワード 公式HPより引用 https://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/
過去3回のファイナリストはグランプリのみならず本アワードを足がかりに、世界各地の大型アートフェスティバルや国際展、アートフェア、有力アートメディアなどで盛んに紹介されています。
2020
グランプリ 潘 逸舟
- 風間 サチコ
- 三原 聡一郎
- 土屋 信子
- 和田 永
潘逸舟は、社会と個の関係の中で生じる疑問や戸惑いを、映像・インスタレーション・写真・絵画など様々なメディアで表現する作家ですが、今回の作品はコロナ禍による社会の状況を非常にうまく表現している作品だと思います。グランプリにふさわしい、この時代にふさわしい作品だと思います。
2017
グランプリ 藤井 光
オーディエンス賞 横山 奈美
- 田村 友一郎
- 石川 竜一
- 題府 基之
藤井光は国立国際美術館で観た「South Barbarian Screens」が非常に印象に残っています。あいちトリエンナーレでも映像作品を展示していました。映像作家では一歩抜きん出た存在かなと思います。
オーディエンス賞に選ばれた横山奈美も注目すべき作家の一人ですね。去年の金沢21世紀美術館での個展は見事でした。
2015
グランプリ 毛利 悠子
オーディエンス賞 久門 剛史
- 秋山 さやか
- 石田 尚志
- 岩崎 貴宏
- ミヤギ フトシ
- 米田 知子
毛利悠子はポンピドゥ・センターにも作品がコレクションされるなど近年注目されている作家ですね。磁力や重力、風、光など、目に見えず触れることもできない力の働きにフォーカスした作品を多く制作されています。
久門 剛史は豊田市美術館で現在個展を開催されています。「東アジア文化都市2017京都 アジア回廊 現代美術展」で作品を拝見しましたが、とてもいいインスタレーションでした。これから色々なところで目にする作家でしょう。
岩崎 貴宏は第57回ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表にも選ばれた作家です。昨年初めて作品を観ましたが、緻密な作品に衝撃を受けました。
2013
グランプリ 宮永愛子
審査委員特別賞 西野達
- 安部典子
- 小泉明郎
- 篠田太郎
- 鈴木ヒラク
- 増山裕之
- 渡辺英司
宮永愛子は、日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時を視覚化する作品で人気の作家です。この時のグランプリのトロフィー名和晃平デザインなんです。うらやましい。
西野達は、都市を舞台とした、人々を多く巻き込む大胆で冒険的なプロジェクトで知られる作家です。芸術祭には欠かせない作家ですね。
以上、過去のノミネート作家を調べてみました。
本年度の作品は、9月22日まで横浜のニッサン パビリオンで見ることができます。
無料で鑑賞できますので、観に行かれてみてはいかがでしょうか。