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【アート情報】軽やかな色彩が注目の新人 山田千尋 個展「unique」

山田千尋 個展「unique」

1月に開催された「Collectors’ Collective vol.4」(通称:コレコレ展)で、私の推薦作家の一人であった山田千尋さんの個展が現在ギャラリーノマルで開催されています。

山田千尋さんは、昨年開催されたGallery Nomartの公募展「U35」に選ばれた新進気鋭の作家です。

山田さんは、ゲロ・怪我・プロレス・赤ちゃんなど全く共通性の見られない独特なモチーフを、迷いのない軽やかなドローイングや、一見すると水彩画のようにも見える独特な彩色のペインティングで表現しています。

代表作とも言えるゲロや帯状疱疹がモチーフの作品は、どう考えても不快なモチーフなんですが、見ていても不思議と嫌な感じがせず、むしろ美しく感じる時もあるという、全くもって訳がわからない作品です(笑)。

作品自体も素晴らしいのですが、以前インタビューをとらせていただいた際に、憧れの作家であるエリザベス・ペイトンの作品を「宝石」と表現していたのがとても印象的でした。表面的な美しさと、絵の中に込められた想いや愛情を感覚的に感じているのだと思いますが、そのように絵画を「宝石」と表現できることは本当に素敵な感性だと思いました。

今回の個展は、同様のモチーフを様々なサイズで、そして、山田さん特有の薄塗りのペインティングから軽やかなドローイングまで様々な表現で制作された作品が、広いギャラリー空間に展示されているようです。

山田さんの作品はリアルと画像では大きく印象が異なるので、ぜひ生で観てもらいたいのですが、ギャラリーより展示画像を頂いたので、紹介いたします。

昨年春に開催した関西在住の気鋭若手作家4名によるグループ展「U30 – Whom do you suspect?」。同展覧会は好評を博したものの会期半ばでコロナ感染拡大の影響により中止を余儀なくされましたが、以降も各作家とはノマルでのグループ展への参加や外部でのプロジェクト等で連絡を密にしてきました。そして今春、その中より一番バッターとして、山田千尋の個展を開催いたします。

山田千尋は2016年に京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。以降、模索をしながらも日々描き続け、今日独自のスタイルを確立しつつあります。
山田の絵の特徴は、目を惹く軽やかな色彩、薄い層でありながら独特な質感を感じさせる筆跡、そして主にSNS上で掲載されている写真から抽出した、通常目を向けられることのない歪なモチーフへの強い執着があります。時間をかけて丹念に描かれたその画面には、物事をあらゆる角度から偏見なく捉え、かけがえのないものへと昇華する山田自身の眼差しが反映されています。

今回「ユニーク(unique)」と題された展覧会では、同じモチーフを題材とした作品を複数点展示することをテーマとしています。小さいもので1号から100号を超える大作まで、様々なサイズと数を通して、ものの見方、感じ方の多様性、自由さを提示すると共に、そこからさらに描くことの唯一性=本質を探求する試みとなります。

時代を担う作家として今後の活躍が期待される若手作家の渾身の展覧会にぜひともご注目ください。

Gallery Nomart 公式HPより引用
https://www.youtube.com/watch?v=wjgWcegz0fc&t=31s

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