WEB SPURT 2020 ― 京都芸術大学大学院 芸術研究科芸術専攻 修士2年生 作品展
毎年リアル展示で開催されていた、京都芸術大学大学院の修士2年生の作品展が本日からオンライン上で開催されています。
京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)は、様々な注目若手作家を輩出しており、コレクターからも非常に注目されている大学です。
近年だと、小谷くるみさん・山本捷平くん・東慎也さんなど、完売作家が多数卒業されており、非常に高いクオリティーと現代アートに向き合う意識の高さが、評価されている大学です。
今年は、年始に注目作家として紹介した森井沙季さんや
「THE POWER OF ART」で参加していただいている、藤本 純輝さん・松岡 柚歩さん・三浦 光雅さんも出展されています。
これからのスター候補生の作品を見てみてはいかがでしょうか
SPURT展とは、京都芸術大学大学院 芸術研究科芸術専攻(修士課程)2年次生達が、本来ならばギャルリ・オーブ(Aube:フランス語で「夜明け」の意)にて、その集大成である修了制作・研究に向けて、作品表現の最終的な方向性を確認する、すなわちSPURTをかけるための展覧会です。この展覧会への出展を通して、学内外を問わず領域を超えて、教員や訪問者の方々から広く作品へのコメントやアドバイスを受けることにより、院生各自の視野は深められ、鍛えられて、最終成果への道筋を見出してゆくことになる、重要な意義を持った展覧会です。
今年度はこのSPURT展が、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、WEB上で開催されることとなりました。本専攻にとってもちろん初めての試みであり、WEB上で開催すること自体が全く当初の予定にはなく、4月以降の感染急拡大を受けて急きょ決定されました。「年度計画になくしかも未経験の領域に乗り出すのか」。中止という選択肢もありました。しかし、不自由なオンライン授業になっても、これまでと変わらぬ真摯な姿勢で学修に取り組む院生の皆さんの姿を見て、WEB上であっても展覧会を実施することによって得られるであろう未知の学びの方に賭けてみようという教員陣の意向となりました。
専攻自体にとっては未経験のことではありましたが、本学全体を見渡してみると、本学のもう一つの柱である通信教育課程において、「WEB卒展」をはじめ既に数年にわたるオンラインでの実践経験が蓄積されており、また発信のためのプラットフォームとしては「瓜生通信」もWEB化が進められていました。このWEB SPURT展は、通信教育課程と「瓜生通信」における経験と蓄積に支えられています。それは、今世紀の初頭から本学が進めてきた教育に関する多様な取り組みが、この危機において、支え合える強さとして機能してきているのではないかとも感じさせてくれます。
本展覧会の準備は、各領域とグローバルゼミの代表院生と共に、5月以来毎週オンラインでのミーティングの機会を持って進められてきました。代表院生の中には日本に戻ってくることができず、遠くイランから参加してくれた院生もいます。梅雨空に曇る夕方の京都の画面の中で、イランの院生の部屋にはいつも昼下がりの陽光が差し込んでいました。日本とはどこか違う風土を感じさせるその陽光の明るさとは裏腹に、その院生からは「家の外は大変です」との言葉が返ってきました。地球規模での戦いが進行していることを実感させられました。
コロナウィルスとのこの長い戦いの中にあっても本展覧会は、次の夜明け(Aube)に向けて淡々と、院生の皆さんと共に芸術的確信を持って前進してゆきます。生きている限り明日の朝がイメージできるのと同じように淡々と。
大学院 芸術研究科 芸術専攻(修士)専攻長
京都芸術大学公式HPより引用
河合 健
https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/650?_ga=2.21645629.786352461.1596432720-1747079798.1596432720