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【アート情報】「間を抜く、或いは」

YOMAFIG.(旧:現代アートと出会う日)」 が新たなアートプロジェクトを実施されます。

YOMAFIG.(旧:現代アートと出会う日)」は、ホテルやフォトスタジオなど通常はアートとの接点が少ない会場でアートの展示を行うことにより、新たな鑑賞体験を生み出し、近年注目を浴びるアートプロジェクトユニットです。

過去のプロジェクト記事

今回は、京都にある通常非公開の禅寺「両足院」にて、新たな企画「間を抜く、或いは」が、3月19日〜21日(前期)、3月26日〜28日(後期)の日程で開催されます。

本展の会場 両足院(建仁寺内)は、通常非公開の臨済宗建仁寺派の禅寺。

禅と聞くと、「無になる」ということが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

実は、禅における「無」は「何も考えないこと」や「心を空っぽにすること」ではありません。

“内と外”や“自と他”の境界線を無くすという意味での「無」なのだそうです。

そこで本展では、境界線、つまり何かと何かの「間」に着目し、その間を抜くことで「無」に繋がることを目指しました。

隙間時間を「無駄な時間・非効率な時間」と捉え、一秒でも間を埋めることに追われている私達。

ZOOMやclubhouseなど、ツールが発達すればするほど、その流れは駆り立てられ、加速しているように感じます。

しかし、本来テクノロジーの発達や効率化は、「ゆとり」や「豊かさ」をもたらすためだったはず。

本展では「ただ只管に作品、禅寺と向き合う時間」を提案することで、

ご来場の皆様に、いつも埋めている「間」を抜く時間を過ごして頂ければと考えています。

ところで、この「作品・禅寺と只管に向き合う鑑賞体験」は本当に「間を抜いている」のでしょうか。

もしかしたら この鑑賞時間もやはり「間を埋めている」のかもしれません。

そこで、展覧会タイトルを「間をぬく、或いは」としました。

禅寺での「間を抜く」体験を、ご来場の皆様はどう感じ、どう消化されるでしょうか。

YOMAFIG. 公式サイトより引用

5名のアーティストの作品が展示されるようですが、すごいメンバーです。

品川亮

1987年生まれ、大阪府出身。個展「Nature’s first green is gold, (銀座 蔦屋書店 / 東京)」個展「深海 (un petit garage / 東京)」アートフェア「VOLTA New York ( ニューヨーク)」「ARTISTS’ FAIR KYOTO (京都)」など、日本、ソウル、台北等アジアを中心に欧米などで作品を発表。アカデミックな技量とともに階層化された制度に厳密に従うことで成立し、存続してきた「日本画」。それによって中断された「日本の絵画」をアップデートし、現代に接続すべく、制作をつづける。

「紫陽花図」参考作品

大東真也

1995年滋賀生まれ。現在は大阪を拠点に時間性を軸にした作品を制作している。主にガラス製の既製品に熱を加え変形させた作品を発表しており、何十本ものガラス瓶が溶け合わさった塊のような作品と、ガラス瓶の首の伸びた作品に大別出来ます。
熱を加え重力に従って変形させる様を提示する作品や、大量のガラス製品を自作の窯のような装置で溶かすパフォーマンス作品、空間へアプローチをしたインスタレーション作品なども制作しています。

参考作品

​高畑彩佳

1995年香川県生まれ、2020年京都造形芸術大学大学院ペインティングコース修了。京都在住の芸術家。排水口という何処かと何処かを繋ぐ円を光背に見立て、自身と世界との繋がりを視線と祈りに変えてインスタレーションや平面作品として具現化しています。これらは慌ただしく、あるいは停滞したままの時を過ごす中で、誰かが定めた正しさに従うのではなく自分の心に恥じない時を刻めるように自分と向き合い自分の軸を取り戻すための装置です。

「金の不定形静物 10」参考作品

吉見紫彩

1990年 大阪生まれ、アトリエe.f.t.卒業、神戸大学大学院人間環境学研究科修了。
時間とともに作品の表象が変化する「熟成する絵画」シリーズや、動物の寝息を集めた7インチレコード「peaceful sleep」等、抽象と具象、有機と無機、自然と人工、意識と無意識を行き来する作品を制作。茶や塩、スパイス、化粧品、寝息、運といった一見不思議な素材を使用し、不可知なものの集積や可視化を試みる。
共著書に「ゲーム学の新時代」(NTT出版)、「スポーツ/アート](森話社)等。愛犬家。

「mimosa room」参考作品

野田ジャスミン

器物作品および、それらを用いたインスタレーション作品を制作。多面性を持つ現代工芸のカタチを明確にすることを目的に、器物作品を通じて「工芸とアート」の関わりについて言及している。記憶のスワンシリーズでは、自身の表現のルーツであるタイのモチーフを引用し、自分自身と向き合うと共に、対峙する様々な要素の間にあるアンビバレントな表現を行う。

参考作品

ホワイトキューブの空間でしか拝見したことがないアーティストばかりですが、禅寺という特有の空間で展示されると、どのような化学反応を起こすのかとても楽しみですね。

人気の作家は抽選(先着順ではないのでご注意。また、鑑賞者のみ抽選参加可能)となるようなので、焦らずゆったりとした気持ちで鑑賞できそうです。

皆さま、是非予約してご参加してみてください。

「間を抜く、或いは」公式HP

前 期 : 3/19 (金) ~ 21(日)
後 期 : 3/26 (金) ~ 28(日)
開場時間: 10:00 ~ 17:00(最終入場16:00)
京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
入場料  :1,000円※税込 現金払いのみ
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