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【アーティストインタビュー】#006 本山ゆかり

【アーティストインタビュー】本山ゆかり

  • 愛知県生まれ
  • 2015年 愛知県立芸術大学美術学部油画専攻 卒業
  • 2017年 京都市立芸術大学大学院美術研究科油画専攻 修了

3331 Art fair 2016(東京/3331アーツ千代田),Art Osaka 2016・2019(大阪 / ホテルグランヴィア大阪),ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019(京都 / 京都府京都文化博物館 別館)などに出展し、美術関係者やアートコレクターから注目を浴びる作家。

 

 
運営者 播磨
様々なものが発展し、過剰になりつつある世の中に逆行するような、シンプルで削ぎ落とされたような独特な表現が以前から気になっており、一度お話を伺ってみたいと思っていました。今回、お会いすることが出来たのでインタビューをお願いしました。
 
 
自己紹介をお願いします。
本山ゆかりです。絵にまつわるものを作って、制作活動を続けています。
 
作風やコンセプトを教えてください。
絵画っていうもの自体は要素をすごくたくさん持っているので、それを全部一気に背負った状態で作品を作るっていうのは、かなり私には難しいです。

なので、絵っていうものを作る時に起きる出来事とか見る時に起きる出来事っていうのを一つ一つ分解していって、その要素を一個一個見つめることかできる仕組みを作って作品を作りながら、一体絵のどういう所が自分は好きだと思っているのかを理解していこうとする作品を作っています。
 
アクリル板の作品について教えてください。
アクリル板の一連の作品については、絵を描く時の描くっていう行為に注目するための仕組みを作って作品制作をしています。

手順としてはパソコンのお絵かきソフトでドローイングをものすごい沢山して、その中から採用するものを選びとって、そのデジタルのドローイングを見ながらアクリル版に絵を描いていくというステップで制作を進めています。

何を描くかを選ぶ時は、モチーフ自体に私が思い入れを持ち過ぎているものとか、何か思い出を反映しているようなものはあまり描かないようにしています。

なぜかというと、絵を描く時にあんまり思い入れが深いものだと、そのもののことを考えてしまって、目の前の描くっていう行為に集中できなくなるからです。できるだけそういったものを排除して、私にとって何でもないものっていうのを描こうとしています。
 
自身の優れていると思う点は何ですか?
絵に対してコンプレックスを持ちながらずっといます。

私よりも技術的に上手いとか、絵から愛されてるような、私からしたら完全な存在だと思う絵描きもいます。でも、その人たちのこともすごく羨ましいけど、私は私で絵のことは好きだから、ちゃんとそれを無かったことにしないで、私なりにちゃんと絵と付き合っていこうと、諦めずにしぶとくやるっていうしぶとさはあります。
 
苦手なことは何ですか?
技術的なこととか素材の研究をするっていうのがすごい苦手です。

作りたい気持ちが先行しがちなので、勢いで作りすぎずに、クオリティが無いと作品として成立しないものを作り始めたので、その辺はちゃんとやっていきたいと思います。
 
影響を受けたアーティストは誰ですか?
結構たくさんいるので難しいですけど、私がさっき言ったような絵と本人の影響が愛だと思うのが、フランチェスコ・クレメンテっていうイタリアのおじいちゃんで、まだご存命の絵描きです。

さっき私は物語を背負い切ることができないみたいなことを言いましたけど、彼の作品は全部背負ってるみたいな感じなんです。いろんな物語が入ってくることにあんなに耐えられることは本当に凄いと思います。真逆なので本当に羨ましい存在です。
 
どんな子供でしたか?
子供の頃は絵を凄い描いてましたし、運動はめちゃくちゃ苦手な結構普通の子でした。

途中からオタクみたいな感じになってきて、それがかなり自分の中でいい思い出として、絵を作り続けるきっかけにもなったし、漫画とかアニメにはめっちゃ感謝しています。
 
アート以外で好きなことは何ですか?
最近は料理のことをかなり肯定的に感じ始めています。

難しいものとかは全然作らないんですけど、淡々と煮る系のスープを作るとか、そういう淡々とした作業をやって最終的に自分が食べたりして、満足感を得れて、結構生産的だな、いいなって感じに思い始めたので結構好きです。
 
1番思い出に残っている作品やプロジェクトは何ですか?
思い出深いのは、昔ロープを使った作品を作ってまして、壁に釘を打ち付けて、そこに紐を引っ掛けて絵を描くっていうのをやってた時があるんです。

その時は展示した場所が名古屋市が運営しているギャラリーだったんですけど、壁に何千本という釘を打ち付ける、普通のギャラリーならやらせてくれないような展示でした。

それを展示後、施設の方が私にやらせずに一晩かけて全員でパテを埋めまくって元に戻すっていうのをやってくださりました。それが施設の人にも楽しい思い出になっていると言ってくださっていて、そんなポジティブに手伝ってくれる人たちがいるんだと、とても感動しました。
 
夢を教えて下さい。
これからもめげずに絵にまつわることをやり続けることですかね。ちょっと今は描いて無いですけど、油絵とかも嫌いなわけじゃ無いので、おばあちゃんになる頃には油絵で普通にキャンバスに絵を描くとかやりたいですね。笑
 
Photo:山本糾 Courtesy of Yukari Motoyama
 
Photo:山本糾 Courtesy of Yukari Motoyama
 
Courtesy of Yukari Motoyama
 
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