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【アーティストインタビュー】#005 新平誠洙

【アーティストインタビュー】新平誠洙

1988年大阪生まれ。京都市立芸術大学美術学部美術科 油画専攻 卒業し、大学院美術研究科 絵画専攻を修了。大学院在籍時より複数の時間軸や光学原理をテーマとした様々な表現で注目を浴び、2015年の「windows upset」,2018年の「DiVISION」の個展や「ART OSAKA 2019」での展示が話題を呼んだ注目の作家。


 
運営者 播磨
本当に同じ作家?と思うような多彩さでありながらも、どれもクオリティーが高い作品を産み出されている作家さんです。ART OSAKA 2019でもとても面白い発想の作品を展示されていたためインタビューをお願いしました。

 
自己紹介をお願いします。
新平誠洙です。画家です。
 
作風やコンセプトを教えてください。
絵画で色んなシリーズを展開しているんですけど、基本的にはイメージとイメージがお互いを侵食しあって、邪魔しあって、壊しあいながら、新しいイメージになってリアリティを創出する作品を作っています。
 
ART OSAKA2019で展示されていた牛がモチーフの作品について教えてください。
この作品は絵画として作ったんですけど、今回の展示では映像も出していて、その映像の1コマとしても作られてます。

キャンバスに描いた牛の絵1つ1つを写真に撮ってそれをコマ送りする方法で映像化しているんですけど、映像の中では牛の絵のみがなめらかに動きますが、キャンバスや木枠などはバラバラに分解されて映ります。

逆にこの作品を絵画として見ると、物体としては静止していて安定しますが、牛の動きはバラバラのコマとして分解されてしまいます。絵画と映像、どちらかで見ようとすると、反対側の要素が壊れてしまいます。

今回はその仕組みだけではなく、1コマの絵に2つのイメージ(走る牛、回転する赤線)をバラバラの時間軸で重ねているので、どちらかの時間を正しく流すと、反対側の時間が壊れてしまうようにもなっています。媒体でもイメージでも、互いに壊し合う構造を作っている作品です。
 
自身の優れていると思う点は何ですか?
あまりこだわらない所ですね。結構作風は動いて行くので。でも揺れ動くことで色々露わになって行くと思っています。
 
苦手なことは何ですか?
1つの所にとどまることです。自由でいたいです。
 
影響を受けたアーティストは誰ですか?
何人かいますけど、最初は美術業界に来るつもりは無くて、アニメ制作会社とかに就職したいなと思っていました。高校生の時にダリの絵を見て、当時自分が描いていた鬱々とした絵に近いところがあって、これをやってもいい世界があるんやなって感じました。入り口はダリですね。
 
どんな子供でしたか?
5歳くらいの時、ものすごく破壊衝動が強くて、そこから思春期までそれを世の中に出さないためにずっと絵を描いてました。それでやっと普通の人として生きれてた。みたいな、、 

多分、友達からは明るい人みたいに思われてたけど、家の中では破壊の絵を描く日々を鬱々と過ごしてました。
 
アート以外で好きなことは何ですか?
アニメを見るとかYouTubeを見るとか。絵を描いてない時は大体YouTube見てます。
 
1番思い出に残っている作品やプロジェクトは何ですか?
2015年にアートコートギャラリーで初めての個展をしたんですけど、それがこの道で行くことに決まってしまった個展なので、、

その前から作家活動のようなものを一応やってたんですけど、あんまりやる気は無かったんです。けど、その時失恋をして、その苦しみを別の苦しみで紛らわせるために、あえて規模の大きい展示をしました。その展示で色んな人に知れ渡ったし、自分もそれを糧に出来たし、1番思い入れはあります。
 
夢を教えてください。
夢はあんまりないです。楽しく生きたいです。
 
Courtesy of Seishu Niihira
 
Courtesy of Seishu Niihira
 
Courtesy of Seishu Niihira
 

 

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