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【アーティストインタビュー】#001 黒宮菜菜

黒宮 菜菜

1980年東京都生まれ。2016年の大規模個展「黒宮菜菜展 夜—朧げな際」や、「トーキョーワンダーウォール2014」でのワンダーウォール賞受賞、2019年の大原美術館のレジデンス・プログラム ARKO2019で50名の応募者の中から招聘作家に選ばれるなど注目を集める作家。

 

以前から注目しており、昨年の個展では、作品の購入を悩んでいるうちに売り切れてしまった思い出深い作家さんです。笑

妖しい色合いの作品から感じる物語、唯一無二の独特の作風、今後注目すべき作家さんです。


 
自己紹介をお願いします。
京都で絵を制作している、黒宮菜菜です。関西を拠点に活動し、色々なところで作品発表を行なっています。
 
作風やコンセプトを教えてください。
最近は1つの言葉でまとめる事ができないくらい色々な要素が入ってきているのですが、ここのところは、小説の文章からイメージを頭の中で立ち上げていって、それを絵に起こしていくという作業をしています。技法としては、滲んだりぼやけたりするような、描写痕跡を不鮮明にしていくような描き方を主軸としていると思っています。自分のイメージがまだ未分化で、立ち上がっているのか立ち上がっていないのかという状態と描写方とをリンクさせながら制作しているかんじです。それ以外にも言葉では拾いきれない色々なものも入ってきているので、現段階の作品を説明するのはとても難しいなと思っています。

 

 
自分の優れていると思う点は何ですか?
素材研究のようなものが好きで、新しい描画材や描写方などを一から開拓していこうとする好奇心はかなり強いと思います。

 

 
苦手な事はなんですか?
睡眠をとらないことです。睡眠を確保できないと全然何にもできないです。本当は毎日12時間くらい寝たいんですけどそうはいかなくて、1ヶ月に一度くらい死んだように一日中寝ていることがあります。笑

 

 
影響を受けたアーティストは誰ですか?
予備校時代に初めて赤瀬川原平さんの『トマソン』を読んで、こんな天才がいるんだと思いました。わたしの作品につながるかはわからないですが、赤瀬川さんの考え方や、美術をもっと超越的なものに押し上げていくようなスタイルに衝撃を受けました。
 
どんな子供でしたか?
絵をずっと描いていました。家に帰ったら自由帳に絵を描いているような子供でした。
 
好きなことは何ですか?(寝る以外)
インドア派で、ずっと小説を読んでいるか、サスペンスドラマが好きで朝から晩まで流しています。
 
1番思い出に残っている作品やプロジェクトは?
2017年に初めて自分で展覧会を作っていこうと思って、京都の芸術センターで、私とはかけ離れたタイプの2人を呼んで、『のっぴきならない遊動』という名前の展覧会をしました。自分で企画展覧会を作ったり、他の人を巻き込んでいったということがとても印象に残ってます。すごく勉強になったし面白かったです。

 

夢を教えてください。
コンスタントに制作を続けられて、見てくれる人がワクワクするような作品を作り続けることです。
 
「その夢の始まりにさらに別の恐怖もあった。女全員が歌わなければならなかった!彼女たちの身体が同じで、同じように無価値であり、また心のこもっていない単なる響きのメカニズムであるにもかかわらず、女どもはそれを喜んだ!それは魂なき者たちの嬉しい連帯であった。女たちは心の負担、このおかしな誇り、個体であるという幻想をかなぐり捨て、誰もが同じであることに幸福を感じていた。」
2018年/2700mm×10800mm/和紙、裏打紙、染料
Photo by Gallery Nomart
「ジョンとスージー」
「On the Cliff #1 / 崖の上 #1」

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