4)アートの保管方法。
アートの保管は、建物の構造、周辺環境、素材、制作年などを考慮して管理・保管するのがベストです。
ベストですが、一般的な家庭でここまで徹底管理するのは無理だと思いますし、色々とストレスを感じでしまいそうなので、そこまで神経質にならなくても良いと思います。
ですが、何がダメなのかを知っておくことで、自宅内でのベストな場所を見つけられ、作品の劣化を最低限に留められると思いますので、この項では注意すべき点やベストな保管方法について説明していきます。
※高額な作品や繊細な作品をコレクションされているような方は、寺田倉庫さんなどの美術作品専門の倉庫などに預けることをお勧めします。
【一般家庭での保管方法】
風通しがよく、直射日光に当たらない、ジメジメしすぎないところがベストです。
といっても、普通の家庭でピッタリの条件の場所は中々見つかりません。直射日光やクーラーの風などが当たらないことを優先して場所を選べばそれほど問題ないと思います。
大きな物を保管するとなると押入れが候補になるかと思いますが、押入れで保管する場合、湿度が問題になるので、下と左右にスノコを敷いて、除湿剤をいくつか置いて、時々開けて風を通すようにすればいいと思います。
保存場所が湿気が多い場合は、除湿機を置くことをお勧めします。
除湿機も年中フル稼働させておくのがベストでしょうが、電気代節約のため我が家では保管している部屋に湿度計を置いて、たまに湿度を確認しながら湿度の高い日や、梅雨の時期につけるようにしています。
私はこの2台を使っています。
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版画作品などをシートで保管する場合は、中性紙で挟み、桐の箱に入れるのがベストです。また、一般的に市販されている防虫防カビ剤はガスを出すため、あまり使用しないようにしましょう。
調べていると、こういう商品もありました。
ポスター程度の作品ならばファイルケースにしまっておくのも手かと思います。
押入れに限らず、作品を置く時は上に積んで保管するのではなく縦に並べて(本を置くように)保管しましょう。
その時、挿し箱であれば問題ありませんが、合わせ箱の場合、蓋が外れてしまうので荷締めベルトなどで固定することをお勧めします。
あと、購入するギャラリーによっては、黄袋がついていない場合がありますが、可能であれば黄袋を額装屋さんなどで発注することをお勧めします。防虫効果もありますし、出し入れの際に作品を傷つけてしまうことも防げます。
何よりも、ずっと箱に入れて保管しておくのでは無く、たまには箱から出して飾ってあげることが大切だと思います。